慶事に欠かせない貝 国産は超希少、旨味が凝縮されたエキスを堪能しよう
ひな祭りや結婚式の祝い膳に欠かせないハマグリは、縄文時代からの出土事例があるなど、古くから愛されてきた貝です。三重県桑名では、「焼きハマグリ」や伊勢名物のたまり醤油で煮た「しぐれ煮」が名物で、『桑名の殿さん時雨で茶々漬け』という囃子文句があるほど。貝の殻のかみ合わせが対になっているもの以外に合わないことから、左右の貝を合わせる「貝合わせ」の遊戯も平安時代から伝わっています。このように日本文化にはなくてはならない貝ですが、じつは国産はほとんどなく、環境省レッドデータブックでは絶滅危惧II類に指定されるほど。いまはその代用として、中国のシナハマグリが多く流通しています。旬は春。身もさることながら、エキスに旨味が凝縮しているので、汁物や鍋などで上品な味わいを堪能しましょう。