Vol.3 手書きPOPの極意|“食”スキルUP講座|バイヤーズ・ガイド

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食品小売マル得情報

ポップアート研究所代表 臼井 浩二 氏

手書きPOPの極意

第1回 手書きの効果ってどんなこと?

まず、下記の3つのPOPを見てください。 あなたのお店ではどのタイプを使っていますか?

  • (1)大型スーパーなどでは、この様式が多用されており、形や大きさもほぼ同じ。内容としては、価格と商品名がコンピュータで印字されています。

  • (2)(1)に比べて小さな地域密着型スーパーでよく見かけ、商品によって字体や紙の色、大きさが違います。主に、売場担当者が手書きで作成することが多い。

  • (3)個人商店や自営業の小規模店舗、またはこだわり商品を扱っているお店で見かけることが多い。このPOPを店主自らが書いていることも。お店自体に独特の雰囲気を持っていることが多い。

さて、この3つのPOPを見比べてどのような印象を受けましたか?

 3つのPOPそれぞれ、伝わってくる印象が違うと思います。ということは、お客様への伝わり方も違ってくるということですよね?

 (1)は、字やカードの大きさが揃っているので見やすく落ち着いています。コンピュータで印字されるので、フォーマットに価格と商品名を打ち込みさえすれば、一気に作成可能です。しかし、なにか物足りなさを感じるのは私だけでしょうか?
 一気に作成するのにも善し悪しがあり、POPにメリハリがなくなり、すべての商品が同じように見えてしまうというデメリットもあります。そうなると、お客様は売場で目を留めるポイントがないため、お店での滞留時間の延長には繋がりにくくなってきます。
 さらにもうひとつ。このPOPをお店の売場で見た時に、「何だかワクワクしてきて買いたくなっちゃいそう!」そんな気持ちになりますでしょうか? なりませんよね。
 このPOPを見たことで、「買い物が楽しくなる」、「またお店に来たくなる」という要因には残念ながら繋がりません。

 一方、(2)は手書きの分、先程の(1)よりも親しみを感じませんか?
そして(1)に比べて、人の温もりのような何とも言えない温かい感情が伝わってきませんか?
 POPに書かれている内容は同じなのに、ただコンピュータの印字から手書きに変えただけで、伝わってくる印象もガラッと大きく変わってくるのです。


単品売上が9倍になった、女性店長による手書きPOP

 そして(3)になると、商品のこだわりや良さも伝わってきますが、商品に対する売り手の思い入れを感じ取ることができませんか?
 決してきれいな字とは言えなくても、“商品の良さを一生懸命にお客様へ伝え
よう”としている、売り手の気持ちがヒシヒシと感じられます。商品にもよりますが、洗練されていない素朴さや素人っぽい印象が、逆に新鮮に受け取れます。
 こうなってくると、“このPOPに書かれている商品は悪いものじゃなさそう”という気持ちさえ芽生えてきます。

2021年09月20日(月)

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