吉野 邦夫 氏|SPECIAL TALK|バイヤーズ・ガイド

連載記事

SPECIAL TALK

Wegmans Food Markets , Inc.
Category Merchant
Japanese Speciality Products

吉野 邦夫

巨大市場・ニッポン発の《宝の山》が
《ほほえみの店》に新たな力をもたらす。

 アメリカ東部各地に店舗をもつ『Wegmans Food Markets (以下「ウェグマンズ」)』。同社でカテゴリー・マーチャントとして活躍している吉野邦夫氏に、独特の店舗づくりや、これからの事業展開について話を伺った。

“従業員満足度NO.1”の巨大スーパーマーケット

 「アメリカで仕事がしたい」。高校時代から抱いていたこの夢を実現したのは、5年ほど前のことでした。

 ウェグマンズとの出会いは、商社に勤めていた時に行った、アメリカ視察。この時、店に入った瞬間の驚きは、今でも忘れません。スタッフが、みんなニコニコと笑っているのです。どの人も、お客様と気軽に話をし、質問に真摯に応えている。まるで井戸端会議をしているような、和やかなイメージだったのです。

 それに、売場の作りこみがものすごい。例えばプリペアドフード(惣菜・デリカ)売場ですと、素材や商品を陳列するだけでなく、レシピの提案からはじまり、食器や調度品に至るまで、その素材に関連するありとあらゆるものが置いてある。

 しかも、37,000名もの従業員の満足度が、英文ビジネス誌「FORTUNE」の調査でNO.1だったのです。これだけ従業員に支持されている会社はきっとすごいのではないか。そう思ってから、ぜひ働いてみたいと思うようになりました。

 あとは、自分がウェグマンズで何ができるか。その時に思ったのが、日本の“デパ地下”でした。ウェグマンズで見た惣菜売場は、考えてみればデパ地下に似ています。それどころか、日本の大型デパートの食品売場の方が先進的かもしれない。だからこそ、そのアイデアを現地に提案すれば、より顧客が満足できる仕組みができるのではないかと思いました。

 こうして、アメリカ視察から2年ほど経った頃、晴れてウェグマンズの一員になることができたのです。

徹底した“家族的経営”で笑顔の絶えない雰囲気に

 ウェグマンズは家族的な経営方針を取っていることでも知られています。特別なことはしていないのですが、従業員はみんな家族、という思想が浸透しています。トップはよく店舗を視察するのですが、どこに行っても、全員に挨拶をします。そして、思いやりを持って接します。決して、上からものを言ったりすることはないのです。

 そうすると、メンバーはトップをリスペクトすることになりますし、距離感がグッと縮まります。お互いに根気強く、愛情をもって接することが、全社員に浸透しているのです。

 さらに、上の立場の者は、部下の失敗を決して責め立てません。誰にでも、当然失敗することはあります。しかし、その失敗を否定することは、その人が取り組んだことやモチベーションなどを全部否定してしまうことになる。しかし、ウェグマンズではリスペクトと思いやりを持ちつつ、失敗から生かせることをみんなで学ぶ。こうした《チャレンジOK》の風土が、根付いているのです。

 こういったことは、しっかりとお客様に伝わるのですね。私が数年前の視察で驚いた“井戸端会議のような雰囲気”は、こうしたモチベーションが自然に出ていたのだと思いました。

 ウェグマンズには、1日に3回も4回も足を運んでくださる人もいますし、スーパーが地域の皆さんと従業員のコミュニティになっている。そんな温かい店舗づくりが、結果的に来客数の増加と売り上げのアップとなって、私たちに返ってくるのです。

Wegmans Food Markets

アメリカ東部各地に70店舗以上を展開し、およそ4,500億円を超える売り上げのあるウェグマンズは、“グルメ系スーパー”として人気を博している

2007年と2008年の2年連続で「働いてみたい職場」の第3位に。他に「世界で最も倫理的な企業」というアンケートでも、常に上位に位置している

豊富な品揃えを誇る鮮魚売場。漁船から直接仕入れることもあり、抜群の新鮮さが売りだ。最近ではシェフがその場で注文に応じて調理するSeafood Barも登場

1916年、ニューヨーク州北部・ロチェスターで青果商として創業以来、高付加価値商品や自然食品を次々に揃え、惣菜売場にも独自のノウハウを蓄積してきた
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