京都 紀翔 代表 小林清治氏と(写真右)と宇治商工会議所 商工課 稲田将人氏(写真左)
京都 紀翔の代表 小林清治氏は、もともと京都のホテルでシェフをしていたのですが、転勤を嫌って独立・開業。最初は、蕎麦菓子を作り京都市内でお土産用に販売を行っていました。ところが商品の売上は数える程で月商約10万円という厳しい状況にありました。
そこで、融資目的で宇治商工会議所に入会したところ、商工課の稲田将人氏から販路開拓をすすめられ、バイヤーズ・ガイドに商品を掲載することになりました。
京都 紀翔は、京野菜を使ったジャム『京の野菜ジャム』ほか全3商品を掲載。特に力を入れた京の野菜ジャムは、春はえんどう豆や筍。夏はトマト・茄子・万願寺唐辛子・南瓜・冬瓜。秋は栗・黒豆・人参・牛蒡・蕪など季節の味が提供される無添加のジャムです。
『京の野菜ジャム』は、見た目が鮮やかな万願寺唐辛子等が人気だという
「ジャムは普通フルーツを使いますが、野菜でやってみたいと思いました。大根のジャムと聞くと気持ち悪いけれど、ジャムの使い方はパンに塗るだけじゃない。お好みで隠し味に使ったり、オードブルのソース、紅茶やアイスクリームにかけてもいいですね」(小林氏)
バイヤーズ・ガイドに掲載した結果、京の野菜ジャムは卸の目にとまり、品川駅構内・成田空港・六本木ヒルズ・東京ミッドタウン等への導入が決まりました。 他にも、小売店やスーパーから10件以上問い合わせが寄せられ、東京や福岡の百貨店、千葉のスーパーでも取り扱われるようになりました。これに伴い、売上 も月商10万円から200万円にアップしたと言います。
「バイヤーズ・ガイドに掲載したことで、多くのお問い合わせをいただきました。また、弊社に興味を持ってもらったお客様には、パウンドケーキや黒豆グラッセなど他の商品にも興味をいただき、商売がどんどん広がっています」(小林氏)
今回の販路開拓が成功した要因として、地域産品ならではの理由が挙げられます。
「価格が高くても、京都のお土産なら東京の人は買って帰ってくれます。バイヤーズ・ガイドで関東方面に販路開拓できたのが大きいですね」(小林氏)
“地産地消”という言葉が使われますが、“手前味噌”という言葉があるように加工品の場合、自分たちでも作れることが多く、その価値を認めない傾向にあります。特に、単価の高い物であればあるほど、売りにくいものです。
ところが、京野菜のジャムという地域ブランドは、東京やその他地域の人にとっては非常に価値あるものです。そのため、バイヤーズ・ガイドに掲載し、東京のバイヤーの目にとまったことが、今回の成功の要因と言えるでしょう。