2011年7月1日にオープンした『発掘市場』。バイヤーズ・ガイドの会員であれば無料で利用できるサービスです。買い手会員(バイヤー・仕入れ担当者)が求める商品の募集情報を、売り手会員(メーカー・生産者)に一斉告知できます。そして、売り手会員は募集情報に該当する商品がある場合、買い手会員に直接連絡し、発掘市場を通じて商談することができ、商談が成約した場合でも手数料等は一切発生しない、大変便利な機能です。
会員であれば無料で利用できる『発掘市場』
うまいものしょっぷの商品募集 投稿画面
当店は、モンドセレクション受賞の調味料など、日本の優れた逸品(調味料)を東京の多摩地区にて販売している小売店舗でございます。調味料の販売スペースを拡大したいと考えておりますので、ご自慢の逸品がございましたら、ご提案いただけますでしょうか。どうぞ宜しくお願い致します。
上記の募集情報をあげたのは、東京多摩市でお取り寄せ調味料専門店『うまいものしょっぷ』を経営する分部満樹(わけべみつき)氏だ。
うまいものしょっぷ 代表取締役 調味料研究家 分部満樹(わけべみつき)氏
分部氏は学生時代からおいしいお店をガイドブックなどの情報に頼らずに、自ら開拓して匠の味を楽しんでいた。いつも“どのような原材料を使用して味のバランスを整えているのか”“味付けの黄金比は何か”“自宅でこの味をどうすれば再現できるか”ということに興味を抱いていた。そしてたどり着いたのが『うまいの法則』。
「素材がうまいとは、産地や高級スーパーであれば新鮮で高品質な食材が手に入るため、味付けをしなくても十分にうまい。こだわりの職人の店で食べれば、腕がうまいので食材の質を凌駕する。しかし、家庭で新鮮な食材を毎日買い続けるのは金銭的に困難な世の中になってきている。料理人やシェフのような腕を持つ主婦は限られている。しかし、味付けは高品質な調味料を使用することで補うことができる。そこで、素材の質や調理技術に左右されない「極めてうまい」、究極の調味料を探し出し、世に広めるために『うまいものしょっぷ』を開くことにしました。モンドセレクションを始めとする受賞商品や、化学調味料で味覚をごまかさない優れた調味料を販売しております。
うまいものしょっぷでは、常時100種類以上の調味料が販売されている
そんな分部氏が『バイヤーズ・ガイド』を利用したのは、開店から4カ月後のこと。
「展示会のリンクから『バイヤーズ・ガイド』について知ったのですが、他の仕入れサイトだと、NB商品を私たちのような小さな店舗でも扱えるというだけで、他店と変わらない品揃えのため当店では役に立ちません。バイヤーズ・ガイドの場合、探すのが困難な全国各地のこだわりの品が紹介されているのが良いですね。そのうえ商品情報では、入数・上代・賞味消費期限・最低ロット等が表示されているので、効率的に商品選定ができるのが魅力です」。
メーカーからのサンプル品は自ら調理。実際に使用した中から商品本来の特徴やおすすめの利用方法を盛り込んだ自作のPOP
同店では、お客様が飽きることのないよう、毎月10種類程度の新商品を入荷するようにしている。そこで、まだ見ぬ優れた調味料を探すために発掘市場にも興味を持ち、上記の投稿を行ったところ複数件のコンタクトが寄せられたといいます。
「1社は、以前から興味を持っていたメーカーで、サンプル依頼をしたところ快く送ってくれました。商品の品質も高く、後日展示会で役員の方とお会いし商談が成立。お中元セットに加えたところお客様からの評判も良かったので、今もお取引は続いています。別の1社はサンプルを確認したところ商品コンセプトは良いものの、添加しているアミノ酸が味覚に飽きをもたらす商品であった。当店のお客様ニーズとリピーターが発生しないという観点からフィードバックしたところ、アミノ酸添加なしの商品開発も可能ということで現在も商談継続中です。他にもご応募いただきながら、取引が成立しなかった企業様には、なぜ扱わなかったかについて具体的にフィードバックするよう心がけています」。新商品開発のアドバイザーやテスターについても依頼があれば協力可能とのことだ。
分部氏自身が「お客様に勧められる物しか置いていない」というとおり、オススメの物が飛ぶように売れて行く店舗。メーカーからのサンプル品は自ら調理し、商品本来の魅力を最大化するために、店舗側でさらなるブランディングが検討される。商品特徴をわかりやすく表現したコメントや、購入者が使い方のイメージが湧くように料理写真を交えてつくられたオリジナルPOPを商品ごとに制作。消費者目線での魅力的かつ購買意欲をかき立てる販売戦略が評判を呼んでおり、メーカーや一般的な販売店が補いきれない商品プロモーションを展開している。売場にあるすべての調味料は試食でき、高品質な調味料と消費者の嗜好により最終的なマッチングがおこなわれるのである。調味料を軸とした料理メニューを考えるお客様や1時間近く調味料の話に熱中する人も多いという。
分部氏ならではのマーチャンダイジングが、棚や店内にもよく表れている。