島根特産品特集|バイヤーズ・ガイド

特集

島根特集

 日本を代表する3名の料理人。食材の魅力と真剣に向き合うことで、料理の新発想や料理人の腕が光ります。著名人が足繁く通う、ミシュランで1つ星の和食店「分とく山」の野﨑洋光さん、オリジナリティあふれる料理に定評のあるイタリアン「アクア・パッツア」の日高良実さん、日本各地の食材を自在に操る老舗中国料理店「南国酒家」の久保寺貞男さん。自然豊かな土壌で育った食材は、彼らの手によって素晴らしい料理に仕上がりました。

神話の国で育まれた食材に新しい息吹を吹き込む

 「神話の国島根県の食文化と気候風土は、そこに住む人々が長い歴史と共に大切に受け継いできたもの。現代人が忘れがちな日本人の心が残っているのです」とは、全国の食材を知り尽くした「分とく山」の料理長、野﨑洋光さんの言葉。食材を愛おしむように手にとり、想いを巡らせながら料理を考えていく。

 一皿目の「しじみご飯」。全国有数の銘柄米となった奥出雲の仁多米を土鍋で炊き、宍道湖で育った大粒の大和しじみと隠岐の島で穫れた海藻の一種であるアラメ、出西(しゅっさい)地区で収穫された出西生姜を混ぜ込んだ一品。うま味があふれるぷりっとしたしじみと繊維質の少ない生姜との絶妙なバランス感があり、さらに細かく切ったアラメが磯の香りを品よく演出している。

 「しじみに含まれている亜鉛は、味覚機能を正常にする働きがあるんですよ。だからしじみをよく食べる島根の人の味覚はきっと確かなもの。美味しいものが生まれる訳ですよ」と野﨑料理長は島根の食の魅力をこのように表現した。

 二皿目は、幻の味、津和野笹山の里芋と津和野の山葵と三つ葉で「里芋山葵和え」に。この料理は山葵の味がポイント。強い辛味と粘り、そしてほのかな甘みが、里芋のうま味を上手に引き立たせている。ふっくらして甘味がある里芋は、色が白く粘りが少ないので上品な味わいになる。田舎料理の装いを持ち合わせながら、洗練された味わいに仕上がっている。当り鉢でつぶした里芋と、食べやすい大きさに切った里芋を合わせているところが、ひと手間かけた野﨑さんならではの技。

 「きっと島根のおばあちゃんはこんな料理を作るんじゃないかしら?と想いを巡らせながらできた一品です。そのままが美味しいから、あまり手を加えすぎない。おばあちゃんが作る料理というのは、シンプルで暖かい。どうですか?上手にできたでしょう?」と笑う野﨑さん。島根の食材には、そんな作り手や暮らす人の息づかいが感じられるものなのだ。

蜆御飯

材料

しじみ
1kg

3合
出西生姜(荒みじん)
25g
昆布
8×8cm1枚
隠岐アラメ 適量
炊き地 しじみだし汁
540cc
  薄口醤油
54cc
  54cc

作り方

鍋に水1リットル、しじみ、昆布を入れ火にかけ、しじみが開いたらザルに漉し、しじみは殻から外す。土鍋に米と炊き地を入れ炊く。アラメは少しあぶり細かく刻む。土鍋の米は、米肌が見えてきたら、しじみ、アラメを入れ仕上げに生姜を入れて蒸らす。

里芋山葵和え

材料

里芋(六方むき) 350g
山葵(おろし) 10g
三つ葉 5本
 
A 500cc
  あごだし 10g
B 薄口醤油 10cc
  5cc

作り方

里芋を六方むきにしてヌカで少し固めに戻す。鍋にAを入れだしを取る。里芋、だし、Bを鍋に入れ約10分弱火で煮て常温で冷ます。里芋の100gを当て鉢でつぶし、茹でた三つ葉と山葵を入れ混ぜる。仕上げに食べやすい大きさにカットした里芋を混ぜ合わす。

食材の印象と、調理のポイントを聞きました!
[しじみ]
日本一の美味しさと言われる大和しじみは、海水と河川水が混合している汽水湖である宍道湖のもの。肉厚で味が濃いしじみを水とだし汁で加熱して口を開かせるのがポイント。
[山 葵]
静岡、長野についで生産出荷量は3位である津和野の山葵。すりおろして、つぶした里芋に合わせると風味が引き立つ。

野崎洋光 料理長

Chef's Profile

「分とく山」 野崎洋光 料理長

各界の著名人が名を連ねる、「日本再発見塾」にて、郷土料理の再発見というテーマで年に一度活動に参加している。今までに福島県の飯舘と岡山県の新庄などで教える。お店では、地方自治体の依頼でその土地の食材を使用した食事会を年に1回開催するなど、日本全国の食材に精通し、活動も多岐に渡る。青森の食材のみで作った駅弁が好評発売中。その他日本航空のファーストクラスの料理も手がける。

2022年12月02日(金)

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