430万円から導入可能な『食品放射能測定システム』|バイヤーズ・ガイド

連載記事

430万円から導入可能な『食品放射能測定システム』

食品放射能測定システム

福島第一原子力発電所事故の発生以来、食品メーカー・流通小売業の関係者であれば“お客様に提供する食品が放射性物質で汚染されていないか?”きっと誰もが気になるはずだ。そこで、富士電機株式会社の『食品放射能測定システム』に注目し、製品の特長等について担当者に詳しい話を伺った。

食品放射能測定システム食品放射能測定システム

富士電機と放射線管理の歴史

そもそも富士電機株式会社の原子力事業への取り組みは古く、1965年にまで遡る。同社では国内初となる東海発電所の原子炉1号炉にも携わり、以来40年以上にわたって原子力発電所の放射線管理を中心にビジネスを展開している。現在、国内のほとんどの原子力発電所に同社の管理システムが採用され、原子力発電所での作業に従事する作業員のための被ばく管理システムは90%以上のシェアを誇るという。その他にも放射線を扱う病院・大学・研究所でも、同社の放射線関連機器やシステムが導入されている。そんな放射能測定ノウハウを活かし、今回『食品放射能測定システム』の開発に取り組むこととなった。

福島第一原子力発電所の事故は、いずれ食品の問題にまで発展する

黒木氏富士電機株式会社 エネルギー事業本部 放射線システム統括部 営業技術部 首都圏グループ マネージャー 黒木智広氏

『食品放射能測定システム』の開発経緯について、同社の黒木智広氏は次のように語る。

「3月11日に福島第一原子力発電所の事故が発生して、大量の放射性物質が飛散した可能性があるとのニュースが流れてから、原子力、農業などの関係者の方々は、この問題がいずれ食品の問題にまで発展していくだろうと示唆されていました。そこで、お米の収穫時期となる9月頃に収穫米の放射能量を検査する装置が必要になると考え、9月からの出荷に間に合うように4月頃から開発を進めてきました」。

全数測定モードであれば、1箱あたり12秒で測定可能

従来の放射能測定は、厚生労働省が定めた『緊急時における食品の放射能測定マニュアル』にある、ゲルマニウム半導体検出器での測定方法しか認められていなかった。しかし、規定に準拠したゲルマニウム半導体検出器は価格が1,000万円以上と高額になり、維持管理が難しく、そのうえ専門的な知識が必要とされていた。また、放射性物質が含まれているかを判定するため、検査対象の食品から一部を切り取ってサンプルを採取し、時間をかけなければ測定することができない。

しかしながら、富士電機の『食品放射能測定システム』は、こうした課題を解決する様々な特長があるという。

「専門的な知識は不要です。例えば野菜を切り刻んだり、肉をミンチにするといった前処理は要りません。お米なら米袋のままというように、梱包された食品を連続して測ることができるのです」。(黒木氏)

また、同測定システムは“全数測定モード”と“精密測定モード”の2種類の測定方法が選べる。全数測定モードは、1箱あたり12秒で放射能が基準値以下であるかどうかを判別し、一方の精密測定モードは120~150秒と時間をかけて、より低レベルの放射能まで検知することができ、さらに精度の高い測定が可能となる。

サンプルではなく、すべての部分を測定できる国内初の全数全量測定装置

水野氏富士電機株式会社 エネルギー事業本部 放射線システム統括部 営業技術部 首都圏グループ 主任 水野裕元氏

また、他の放射能測定装置との大きな違いは、その検査方針にあると黒木氏はいう。

「現状行っている検査は、例えば牛肉の枝肉であれば、枝肉から1kg程度サンプルを採取して測り0Kであれば、他の部位も0Kという“サンプル測定”になります。ですが、私たちはサンプルだけでなく、食卓に届くすべての部位を測定しようと考え“全数全量測定”の製品を開発しました。こうした全数全量測定できる装置は、私どもの認識する限り他にはまだありません。含有されている放射能の詳細な値が知りたければ、ゲルマニウム半導体検出器が必要ですが、スクリーニング(一定基準値以上の放射性物質が含まれているか、いないかの判定)で全数測定をするのであれば、当社製品が最適といえます。全数全量測定を実現した点が、我々の製品は従来製品と大きく異なるのです」。(同社・水野裕元氏)


1 2

新しい記事へ

古い記事へ

2021年07月29日(木)

暦と旬で見る食カレンダー

180日後

2022年1月25日(火)

ページトップ